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社長コラム

マハテイール新政権の1年を振り返る

2019年05月23日 09:13

 マレーシア初の政権交代、マハテイール新政権1年を振り返って

今年の59日に、1957年以来61年続いた与党(バリサナショナル党)から野党(パカタンハルパン党)に初めて政権交代し、マハテール前首相(93歳)が再度首相に返り咲き新政権担当し丁度一年が経過しました。

93歳と言う世界最高令の首相でありながら外交訪問を含む激務をこなし、今でも自動車を運転し、休日にはサイクリングも楽しむマハテール首相の体力と気力には、皆感服してます。彼は元々医師ですが、健康と長寿の秘訣は、1)小食、2)毎日運動を欠かさない、3)何事にも関心を持ち、マインドを常に刺激、活動させる事、としています。

現地マスコミが1年を振り返り、新政権の是非を評価するコメント沢山出しています。それらをまとめた上で、私の意見をここで述べて見たいと思います。

1.功績

 1)消費税(6%)の廃止とサービス税の導入。これにより物価上昇率は1%以下の状況になっています。国内消費(内需)が好調を維持しています。

 

 2)大型公共投資の大幅コストカット:東海岸鉄道工事、KL首都圏LRT3号線、MRT2号線等の大型工事費を見直す事で、470億リンギ(約12700億円)のコスト削減に成功し、プロジェクト自体は続行。(2019年の国家予算は3,166億リンギ(約85500億円)ですので、約14.8%国家予算支出の節約となります)

 3)ナジブ元首相とロスマ夫人、ハミデイ元副首相、ムサ サバ州元知事、アデナン元KL連邦大臣等、多くの前政権の政治家、政府系企業のトップが腐敗容疑で次々に起訴され、腐敗に厳しい新政権の政策を実行。

 4)国民の6割以上を占めるマレー系住民(イスラム教)以外の優秀な人材(華僑系、インド系)を政府の要職に起用。人種、宗教、年齢を超えたマレーシア人としてのアイデンテイを強調する政策を実践。

 5)外国直接投資の増加。中国とアメリカの貿易摩擦が高まる中で2018年の投資額は805億リンギ(約21735億円)と前年に比べ48%の増加を記録。

 6)首相就任後、大親日家で知られるマハテイール首相は真っ先に日本を訪れ、日本からの投資誘致加速の方針発表。日本の大学(筑波大学)のマレーシア進出も要請。更に日本政府から低金利の融資を受ける事が決定。日本とマレーシアの関係が更に深まる見通し

 7)今年4月マハテイール首相が中国訪問、習近平主席と会談し、一帯一路政策を支持する事を発表、今後中国からマレーシアへの大型投資を継続、増やす合意を取付けました。特にインフラ関係とIT関係の投資がかなり急増すると思われます。

 8)中国企業の投資もあり、東海岸鉄道、KLの新幹線駅と抱える大型再開発プロジェクト:バンダーマレーシアが再開決定となり、シンガポールとの新幹線計画も再開する可能性が高まっています。

2.マイナス要因

 1)公共投資の大幅削減により経済成長は、2017年の年率5.9%から2018年は4.8%に減速。2019年も4.5%前後と推定されています。

 2)サービス税導入し、公共工事を大幅削減したものの消費税撤廃により政府収入は2018年は2017年に比べ2%程度減少。これにより財政赤字が対GDP比で2017年のマイナス3%から18年に3.7%に増加。今後経済成長を維持しながら財政赤字を如何に減らせるか課題になっています。

 3)政府が人種と宗教を超えた政治を目指す中で、国民多数を占めるマレー系住民(イスラム教)からは逆に彼らの特権(ブミプトラ政策)を守る、イスラム教を守ると言う意識が一部芽生えている。それにより新政権が政治的舵取りで苦労し、思い切った政策が今一つ打出せない状況も出ています。

 4)経済成長が減速し、新政権でまだ十分明確な経済成長路線が出されていない事もあり、通貨安、株安状況が続いています。

 

3.今後の見通し(私見)

 マハテール首相の下、政治家、政府内の腐敗が大幅に減少し、クリーンで効率的政治、政府に進んでいるのは肌で感じます。一部政治公約で果たされて無い部分もありますが、現政権に対する大衆の期待と信頼はまだ維持されています。経済成長は減速しているものの、公共投資、政府内の無駄を削る、政府の効率化を進めるのは必要不可欠と国民の多くが受け止めています。経済専門家の見解は概ね現政権の政策を高く評価しています。

 今は経済成長を如何に高めるかに新政権は集中しています。マハテイール首相は経済発展、ビジネス優遇志向が強く、既に外国直接投資を増やす事に奔走しています。特に日本、中国からの投資呼び込みに積極的で、上記功績の所で言及した通り、大きな成果も出始めています。

 KL首都圏の鉄道網はMRT3号線以外は皆予定通り進んでいます。シンガポールとの新幹線の計画も再開される可能性が高まっています。マレーシアが目指す金融大国に向けて国際金融特区(TRX)も継続しており、最初のオフィスタワーも近々オープンとなります。

 マレーシアは電気・電子産業の東南アジアの一大製造拠点となっており、日系企業(松下、ソニー、シャープ等)含めて多国籍企業が沢山進出しています。この分野が経済成長、貿易黒字に大きく貢献しており、更に観光、金融、IT等のサービス業も主要産業となっており、マレーシアは石油、天然ガス等の資源に頼らない経済へ転換済みです。

 マハテール首相の後は、アンワール元副首相が次期首相になる件も公約され、当面は政治的な安定した状況が続きそうです。

 結論的に、マハテイール首相、更に次期首相としてアンワール氏が継続して政権担当すると道筋が出来たマレーシアは、中、長期的に安定して発展する軌道に乗って来たと思います。今の株安、リンギ安は短期的な兆候でファンダメンタルを反映しておらず、おそらく長く続かないであろうと考えます。


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