マレーシア不動産をトータルでサポート!
(クアラルンプール、ジョホール、ペナン)
MM2Hは22年の実績、留学もサポート
(03)6661-7683 営業時間  10:00~18:00(日祝祭は休業)〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町14-6 水口ビル3F
アパマンショップ
※ レート: 1RM = 32.04円 (2024/03/26 10:36 現在)

ホーム > 社長コラム > マレーシア政権交代とその後

社長コラム

マレーシア政権交代とその後

2018年06月01日 15:14

 マレーシアの政権交代と今後

最近、日本の新聞等でマレーシア政権交代とその後の消費税撤廃、シンガポールとクアラルンプール間の新幹線計画白紙撤廃等の記事が報道され、マレーシアはどうなるのだろうか?消費税の減税分どうして国家収支を合わせるのだろうか?不動産市場に悪い影響があるのでは無いか?などの質問がかなり寄せられていますので、ここで私の意見を投稿する事にしました。

59日にマレーシアで5年振りの総選挙が開催され、1957年に英国より独立以来61年間政権を担当していた与党(バリサ ナショナル党)が野党(パカタン ハルパン党)に大敗を喫し、61年振りの政権交代となりました。

新たに7代目首相に任命されたのが何と92歳のマハテイール元首相です。マハテイール氏は1981年から2003年まで22年間4代目首相を務め、マレーシアでは建国の父の様に尊敬されている政治家です。(彼は前ナジブ政権を厳しく批判し2013年に前与党を脱会し野党連合に加わりました)

マハテイール新首相は5月後半に就任以来、矢次早に大胆な政策を実施初めています。

1)       消費税(GST6%)の撤廃。サービス税の復活(91日より)

*サービス税とはホテル、弁護士や会計士等の専門家が提供するサービスに対して課税される税金です

2)       大型プロジェクトの見直し:東海岸鉄道網(総工費約1.8兆円)、シンガポールとクアラルンプール間の新幹線(約2.4兆円)、クアラルンプールMRT3号線(約1.2兆円)

*因みにマレーシアの2018年度の国家予算は約8.4兆円で、その内公共投資分は1.4兆円程度です

3)       政府官庁の統合、役人数の削減と大臣等の減給等による政府経費の削減

4)       大型プロジェクトの公開入札、司法の独立性維持、マスコミ&言論の自由化等の民主化の推進

前政権時代に蔓延った腐敗、縁故主義それと国費の乱費をまず是正しようと言う方針の現われです。背景としてマレーシア政府の負債が政府が約束している保証額等を入れると国家GDP80%程度に達していると言う事情があります。(直接負債としては約50%のみ)

更にナジブ前首相が創設し、主導して来た国策投資会社:1MDB社の総負債が1.1兆円程度あり、投資の実態が余り無いという状況もあり、1MDBの負債を政府が肩代わりする様になるであろうと言われています。

以上の状況下、新政権の元で大型プロジェクトの見直しは必然的と思われます。国民の多くは、新幹線工事の白紙撤回、首都圏鉄道MRT3号線の延期等は残念であるが、現在の国家財政上は仕方無いと受け止める人が大半です。マレーシアでは今回の様に国策が大きく変更される事も過去にもあり、国家財政が改善すればまた新幹線工事や首都圏MRT3号線が再検討される可能性もあると思われます。

それよりは、今まで国家財政支出で水増し等の無駄が2~3割は有ったと言われ、それが新政権の下で無くなれば、消費税が撤廃になっても国家財政は均衡すると推定されます。消費税が無くなる事で庶民の生活は楽になり、民主化が進み政府が効率化し民間活力が活性化するのでは無いかと、国民は政府の新政策の効果を期待を持って見守っている状況です。

マレーシア経済は堅調に推移しており、2017年度は5.9%の経済成長を達成し、今年も5.5%程度で成長する見込みと報道されて来ました。最近の原油価格上昇もマレーシア経済にはプラスに働き始めています。但し新政権の下で、大型公共投資が大幅に見直される事で建設業界には受注減となる事は必至で、その波及効果はこれから見極める事になります。

前回メルマガでも言及しましたが、新政権の政策がより明確になり、経済の方向性がよりはっきりするまで一時的に株安、通貨安(リンギ安)になると思われましたが、やはりその通りここ数週間でKL株式市場は約10%、リンギも2~3%下落しています。

私の意見ですが、今後の見通しは以下の様に集約できるかと思います。

1)       マハテイール首相の実績と指導力により、財政の健全化、民主化は大きく前進する。マレーシアの国際的な信頼も徐々に回復して、投資家も戻ってくる。株安とリンギ安は是正されて行く

2)       マハテイール氏の後には、元副首相で国民支持の厚いアンワール氏が次の首相になる事で道筋が出来ており、中長期的にも民主化、経済の効率化が進むと思われる

3)       マハテイール氏、アンワール氏とも経済界に対する理解と支持は厚く、マレーシアは今後も経済発展を中心にした政策を継続するであろう

4)       マレーシア不動産市場に関しては、新政権の下で大きく下落する様な事はまず無い。逆に商業物件に対して課税されていた消費税が撤廃される事もあり、商業物件の取引は活発化する。開発会社に取っても建設コストの減少になるので、利益率が向上する

5)       消費税撤廃効果で庶民の生活はやや楽になり、消費が刺激され内需が活発化する

6)       よりクリーンで透明な政府を目指し、動き出している新政府への信頼と期待は大きく国民も新政府の政策を支援すると思われる

最後にマレーシアに住む人や旅行で訪れる方に朗報をお知らせします。201861日から831日は消費税も、サービス税も掛からないタックスホリデー(消費に関する税金無し)となります。この時期は6%の消費税を節約出来ますので、家具とか車とか大きな買物をする、5星ホテル等を使う贅沢なツアーをすると結構な節約になるかも知れません。お試し下さい。

今後も新政権の大きな変更、経済、不動産市場へのインパクトあるニュースは追って投稿します。今後、マレーシアは色々な意味で世界中から注目を集める国なりそうです!


関連カテゴリ: 経済、不動産関連